![]() フヨウ |
「葵上」と言う能を見ると、葵の上と言う人物は現れず、舞台に一枚の着物が葵の上として広げられる。その舞台を見ながら、葵の上と言う女性は、葵の花にちなんで名付けられたのだろうな。葵の花は、ナメクジが、媒介するのだったな。と考えてから、「あれ?」と思った。そんな馬鹿な、ナメクジが媒介するような花と言うことは、虫媒花のような派手な花のはずがなく、花をめでて、女の子に付けるような事はないはず。そこで、やっとそうだ、この葵は、芙蓉(フヨウ)やハイビスカスの仲間の葵なのだと思い出した。 アオイ科の草木が初めて日本にやって来たのは大変古く、冬葵、又はカラアオイと呼ばれるものが最初だったと言われています。その後、フヨウ、ゼニアオイ、タチアオイ、トロロアオイなど花の美しいものが持ち込まれたり改良されたのです。 |
![]() フタバアオイ | 私が最初に思い付いた葵は、カンアオイやフタバアオイと言われるものです。このあおいはウマノスズクサ科の植物です。フタバアオイは一株に必ず二枚の葉が出るので、双葉あおいの名が付きました。またこの葉が、徳川家の葵の御紋になりました。本来の葵ではありませんが、葉の形が似ていた為に葵と呼ばれるようになり、葉はハリがあってきれいなので、江戸時代にはカンアオイの栽培が流行したと言うことです。カンアオイの葉は、ギフチョウの食草で、カンアオイの分布地域とギフチョウの分布は一致します。 葵と聞いて何を思いだすかと何人かの友人に聞いてみました。「葵の御紋」を思い浮かべる人がほとんどでした。「それ以外の葵は?」と言っても、そう言えば芙蓉も葵の仲間って聞いたことがあるけど...と、もし、葵の上が聞いたら、ますます病が重くなってしまいそうな昨今の世の中です。これが、30年前なら、たいていの人が芙蓉の方を思い浮かべただろうと思います。水戸黄門の印篭おそるべし。 |