タグの知識を得るだけではなく、HTMLの基本構造に基づいて要素を使うという点を心に留めておいてもらいたので、以下のの引用をあげました。
知育(instruction)という名詞は、<<装備する>>を意味する instruereというラテン語の動詞から出ている。たとえば、ラテン語のinstruere navemとは、船を艤装する、即ち、航海に必要な船具・人員等の性能を備えさせることである。知育ということは、それ故、人生に向かって装備させることである。 知育という語にようって、学校での授業または書物での個人的な研究によって、獲得される知識の総体と理解できる。実際、知識を得るためには、歴史上のある人物・科学的物質の特性・ある型のモーターの機能を知るだけでは十分ではなく、現代人に必要と考えられる一定量の知をわが物にしてしまわなければならない。
P.フルキエ 「公民の倫理」(筑摩書房)
HTMLの基本構造の背景には、文章の構文と言うより一般的な基本があります(引用「現代人に必要と考えられる一定量の知をわが物にしてしまわなければならない」に当たります)。それは、 見出しとパラグラフから文を構成するというものです。
この点について、われわれは十分な教育を受けてきていませんので、なかなかピーンときません。それ故に、HTML文書で、Hn(見出し要素)・P(パラグラフ要素)が正しく使えない傾向があり、ブロック・レベル要素とテキスト・レベル要素(ライン要素 %line)の使いわけに不備がでてきます。この問題は、要素の知識からだけでは解決しません。文章構造があって、それにタグ付け(マーク付け)すると言う文章構造部分を理解しないと解決しません。
パソコン通信の会議室での書き込み、ウェブ・ページの公開、仕様書の翻訳などを体験しました。その結果、日本語のことを考えるということになりました。小池清治の「日本語はいかにつくられたか?」に漱石の英単語混じりの原稿をみ、言葉が日本語としてまだ定着していない仕様書翻訳の場合どうしようと思ったのとつながる所もありました。
「診断・国語辞典」で指摘されているように例文がないと不十分で、学研国語大辞典や「例解新国語辞典」を使うようになりました。HTML文書仕様書(規則書)などになると、英語もウェブスターでないと新しい言葉がのっていないこともあり、収録語数の多いランダム・ハウス英和大辞典も必要になります。
通信で得たもの、それは日本語でしたし、議論を考えさせられました。夏目漱石や福沢諭吉を更めて読みました。構造化の視点から見ると、漢文のスタイルが有用なのだそうです(小池清治「 日本語はいかにつくられたか?」)。漢文を読むことは困難ですが、漢文の素養の深い福沢諭吉や夏目漱石を通して学ぶことは出来そうです。
上田明子「英語の発想」(同時代ライブラリー 岩波書店)を読んでみました。パラグラフの説明が豊富だったからです。
英語構造でのパラグラフの紙面に表われる形は、
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
となっているそうです。
(3)の形式は、HTML上でのP要素での再現表示形式です。ウェブ・ページを書いていて、<P>XXX</P>で囲うと一行空白(ライン・ブリーク)を挿入する形式に違和感を覚えました。パラグラフ感覚がないと、適当に<BR>で改行し続いてスペースで字下げすると言うやり方を漫然とやってしまいます。我々のウェブ・ページの欠点がここにあります。<A>や<IMG>は、文字と同じ取扱いになり、インライン(inline:HTML 3.2迄はテキスト・レベル text levelと言ってました)と総称されるものなので、<P>内で使わなければなりません。<A>や<IMG>と言う形だけ見るとこれだけを単独で使いたくなります。
我々が一般的にウェブ・ページの書き方が出鱈目になる元は、構文パラグラフ教育が義務教育でないと言う点だと思います。教育にインターネットをといわれていますが、文法教育(先生自身も)からはじめなくてはいけないようです。実践的いや実戦的には、ウェブ・ページを書きながら構文を教えるということのほうが、皆興味を持ちつつ文法を覚えるのではないかと思います。文法の授業は、退屈でした。
日本語の書き方資料
村田喜代子の新文章口座 朝日新聞(99/04/03〜00/03/25)
辞 書
診断・国語辞典 (鈴木喬雄 日本評論社)
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